--- 歌、唄、詩、うた ---

俳句、短歌、川柳、自由詩、なんでもいい。人はうたうことをとりもどさなければならない。誰もが子供の頃は楽しくうたっていたのだ。それが学校に行くころには多くの人は素直にうたえなくなってしまう。.stのテーマは自然に帰ること、野生を取り戻すこと、人間を解放することであるからして(^^;)、唄をうたわねばなるまい(笑)。

2004.10.7

青森の友人まさひろくんからからきのこ鍋のたより。

こでられね 喰わずにすむか きのこ汁

    と詠んだら、マレーシアの西野くんから返句があって、

シナプスの かけらが証す故郷の 友の言葉に かっくいのかまり 

2004.9.14

仕事に追われ望郷の念深く、友人のまき割る斧打つ夢を見た。

斧打つ音わたる空の彼方故郷

2004.4.30

新芽の頃、蔦を歩く。山笑う、とも言う。おだやかに若葉光る早朝。

ぶな日和 心緩む 眼細まる

2004.1.16

めでたい正月に一句

銀行員 脅して借りた 清しさに

    晴れてめでたし 正月だべが

2003.梅雨のころ

梅雨になると、「雨が多くていやですねえ」というあいさつによく出くわすけれど、雨もまんざらでもないとおれは思うんだけど。だいいち冷んやりして気持ちいいし、じわーっとblueになって1句詠んでみようかとか思ったり、腰を落ち着けて写真でも整理しようという気になるのだ。

梅雨入りで もぞもぞ動く かびだべが

おれは、カビだべが?

2003.9

  清流の 岩魚こがして ほろ苦し

風餐露宿で八甲田の沢を歩き、たき火のそばで酒を呑み、うとうとして塩焼きの岩魚をこがしてしまったのだ。   

   谷地の風 ぶなのかまりで ただ疾走り
     もやとかうさが 消(け)でまえばなあ

2003.11.27

   なくなりました’と いきなり言われても

    また何とかなるさとは

     なかなか思えぬ年の暮れ

(いきなり年間の定期物の仕事(カタログ)が飛んでしまって、すらすらと愚痴唄が出てしまう。)

  

2003.10

   朽ちる葉に 深く静かに 秋の声

2003.8.20

蝉が死んで 何やらもう 秋が来る

ぷはーっと いう麦酒飲むまに もう秋か

2003.8.14

かたじけないとおもうビールが胸を濡らす..

どうもお盆ってのは寺山修司みたぐなってしまう。

2003.8

   やあカラス ゆっくり涼まって ゆけばいい

2003/7.29

   なんもしゃべねで しらっと帰ってくればいい

2003/7.28

   欲とか銭とかそういう
   くそまみれのことを美徳のごとく言いくるめた
   社会や教育のでたらめを、
   アメリカ的薄っぺらでちんけなものを
   みんな捨ててしまえと、
   破産した友に向かって、
   自分に言い聞かせているのは俺である。

2003/4.25

浜名さんという酒好きも編集者がいる。北大の農学部をでて毎日新聞の記者をやっててやめて、
その後土方やったり、訪問セールスやったりいろいろやった後、いま自分で編集プロダクション
開いてる人なんだけど、彼と取材に行くとその後、昼だろうと何時だろうとビールをまず呑む。で、このあいだの仕事のあと、メールがきた。勝手に転載すると、

今、代々木上原でタイ・ラオスの植林の打合せで一杯飲んで帰ってきました。
で、今日は仕事はもう止め。
で、一首 詠む。

(ICUのキャンパスにて)
   葉桜の
   目に染む青の
   深きこそ
   花盛りより
   われに鮮烈

(ICUから多摩大への途中で)
   花冷えの
   桜一輪
   凍えおり
   多摩路の冷気
   胸に吸い込む

(夕暮れの東京工科大学にて)
   宴とは
   むなしいものかと
   道ばたの
   古木の桜
   一人咲くらむ」

で、それに俺は次の返句をした。

   葉桜も 咲くだげ咲かして すまし顔
   わだってもそったら 呑みがだしてみたし

   酔んたなと ふらつく目んたまなでまわし
   宴のあとか わも葉桜か

2003.2

  東京湾や多摩川の水が最近澄んできた。冬は一般に澄んでくるけど、やっぱり不況のせいだろう。自然そのものには嵐とか氾濫というものが定期的にやってきて澱んだ物を一掃するという作用があるらしいけど、人間や人間の経済活動そのものもまたそういう作用があるということなのか、とか思いながら窮乏写真家の俺はフィルムをけちりながらまた東京の写真を撮ろうかと歩いている。

寒風の あっちこっちに しみる街

2003/1月

   なぼ飲んでも いんだじゃ、と 年寄りに

     言われるまでもない正月よ

2003.1/青森で

   大根の葉っぱが漬け物になって 

   パンのミミが菓子になって、

   いよいよ我が家も粟でも食わねばなあ、

   と思っていたらあわとかひえとかは、

   近頃ヘルシー食品らしくてテレビでやってた。

   あいやー、ほだら粟も食えなぐなってしまうでねがと、

   あわ食ってまった。...    (これもうただろうか?うたは自由だ、と自っ感!?する)

 夜なべって ちがう意味だったのか 15の春

2002.夏

縁側で 焼げだ魚の かまりして

ニコンインターナショナルフォトコンテストで入選した写真に付けた岩手の山村の女房の実家の農家の縁側にねまってビールを飲みながらみょうがをつまんでだら焼魚のかまりがしてきて、...

 12月

  

 銀座裏 蕎麦屋の酒に 日が暮れて

   ジョージ ニシオギ マルヤマチョー

   日が明けて 別れを告げる アジアの友よ   

マレーシアのニシノくんと昼から呑んで次の日の朝まで気持ちよく街を流れ歩いた。ほんのひと稼ぎのつもりがずーっと居着いてしまった彼は、すでにアジア人の顔であった。

11月

   きのふ飲み けふまた飲みて ゆく秋や (蕪村くずれ?)

   枯葉ちる ねまった長椅子に しみる秋 

10/11

酒呑みのうた2

   まよねーず からしを入れて かきまわし

   海苔ですくって 焼酎すすれば 

   からしみわたるぞ けふもゆく秋

10/8

酒呑みのうた

   酒すすり だんだんあおり さいごしぬ

   しづかに 飲むべしなあんて さいしょだけ

9/6

(投稿 ニシ)

「ども、ガンちゃんの一言でわらわらと言葉が出てきた

適当に何句か書きなぐっておきます。

   腹を立て 蹴った仕事の 数しれず 男たてれば 金は入らず

   彼奴(きゃつ)の顔 福沢諭吉と思いしも 出来ぬ我慢の 多かりしかな

   握り締め 鳴る節々の 我が拳(こぶし) 机の下で グーチョキパー 

慣れぬ営業で胃を壊さぬように・・・・・南無」

9/6

激しい2日酔いで、歌詞一つ  (ゲロヤンの歌)

   まぬけな奴に 頭を下げて

       嫌悪感で ゲロを吐く (仕事を)ケロケロケロケロ ゲッゲッゲッ

9/2

(ひろこさんの投稿)

久しぶりに名古屋の友達に会い行きました。天守閣みたいな旅館に泊まって 一句

   知多半島 夕日を浴びて 露天風呂

         どえりゃー構えで 落ち着かんでいかんわ    字余り

2002/夏

   

   物云わず 誰にも遭わず 岩魚釣る (八甲田山中で。至福の時である)

   物云わず 誰にも会わず 酒すする (東京で。淋しすぎる)

2002/夏

   

黄瀬川 ぶなにぐれっと覆われて 岩魚もさぞやあずましべえ

2002/夏

  

 急くもなく 竿を背負って ゆるゆると  (南八甲田にて)

2002/夏

   姫鱒も 眩しすぎて 出てこぬか   (蔦沼にて)

2002/夏

   せせらぎを ゆるりと泳ぐ 岩魚見て

         やませもそよぐ しかあるまい  (黄瀬川にて)

8.28

女房の実家の岩手山間部の農村へ行って、縁側で寝っころがって、

裏のわき水でビールっこひゃっこくしてで、裏で掘ってきたみょうがをつまんで

あずましくなって1句

   縁側で 焼げた魚の かまりして

      ビールもわったど ひゃっこくなり

   人知れず じわっと極楽 みょうがの渋さよ

8.26

今夏の暑さは猛烈だ。35度連続でへばってるってばあ。

   夏が好ぎ でったらばそったら 気になるの

7.20

EDのコマーシャルが放映されている。そこでふと浮かんだ。

   EDの医者 おんながいい

        男にちょされで たったらどすべ

   あほだなあ そったら奴は

        EDでねべ ほもだべさ

3.13

全共闘世代の働き者(!)ぎんじくん。

東北さ行って少しゆっくりしたらどんだの?

1句、

   おれはおれ おめはおめえで 暮らしてで

     おまんま食えりゃ え〜んでねえのか   (いわき)

もうひとつ、

   やれやれと 今宵も1献 かたむけて

     あしたはあしたの 風っこふくべ     (いわき)

2002.3.1

   片隅で ししじみと咲く 紅梅よ

     風にも なびがね花って おめだげだ   (いわき)

第2回

   幸運と 博打の風に 流されて

      不運とたわむる 我が暮らしかな  (西野)

寸評。 天才か、おまえは。

とりわけ、「流されて 不運とたわむる」が絶妙の流れだねえ。普通は、「不運」を嘆くとかくるが、「たわむれる」とくるあたりは、ひとつの境地に達したとしかいいようがない(笑)。佳境(=歌境)というやつか?!

   追いかけて 追えば逃げると 知りつつも

       追わずにいられぬ 酒と薔薇 (西野)

我が心を言い当てられているようだ。そこで返して1句、

   追いかけて 追えば逃げると 知りつつも

       追わずにいられぬ 懲りない俺よ

   それがまた たまには ふりむく薔薇もあり

       時には至極の酒も あるからなあ  (言い訳してるぞ、いわき)

   国のそを 聞きて瞼に 浮かびしは

   馬の煮鍋と めらしっこのよた   (西野)

寸評。格調高し。

第1回

  とりあえず、家元!から(笑)...

   なんぼまても さぱり良ぐなね わの暮らし

        啄木みでに じっと手ば見だ  (いわき)

寸評 貧乏暮らしが目に浮かぶようですばらしい。たまげた表現力、見上げた根性、ざぶとん2つ。

   飽食と 腐食の後の 永き闇

      心休むる 一杯の茶漬け   (西野)

寸評 いいねえ、うん、ぐっと来る。そこで返して1句。

   おーしょっく ぎゃら値切られて 寂冬の 心荒ぶる 10杯の酒 

       人の酒 15杯は呑んでやろうさもしきわれかな...(字あまり!失礼)  (いわき)

西野クンは、こういう歌もあるゾ。

   はじめてと 言いつつ縄に 酔いしれて

        歪む眉間と 流れ出る液   (西野)

こういう方面には、出色の才能を発揮する。

   蔦の瀬に 吹きゆくやませの きびしさに

      竿持つ手っこも  冷やっこぐなて   (いわき)

註*やませ* 太平洋側から八甲田にむかって吹き付ける寒風。